9/21/2010

アメリカの見解は?

<米国>景気後退09年6月に終了、戦後最長に NBER

毎日新聞 9月21日(火)0時25分配信
 【ワシントン斉藤信宏】全米経済研究所(NBER)は20日、米経済が09年6月に後退局面を脱したとの判断を発表した。同研究所は既に、米国経済が07年12月から後退局面に入ったことを発表しており、今回の景気後退局面は18カ月続いたことになる。73~75年と81~82年までそれぞれ16カ月続いた景気後退期を上回る第二次世界大戦後最長の景気後退だったことが公式に認定された。

NBERは米経済の景気循環を正式に認定する非営利・中立の研究機関で、全米の主要エコノミストが所属している。米景気は今年春以降、住宅市場の不振や雇用改善の遅れなどを受けて再び減速傾向が強まっているが、NBERは「仮に景気後退局面に入るとすれば、07年12月からのものとは別の新たな景気後退になる」との見解を示した。

米国内総生産(GDP)の実質成長率は、08年1~3月期にマイナス0.7%とマイナス成長に落ち込んだ。その後、同年4~6月期には一時的にプラスに浮上したが、08年秋のリーマン・ショック後の金融危機の影響が本格化した同年7~9月期以降は4四半期連続のマイナス成長となり、同年10~12月期にはマイナス6.8%と急激に落ち込んだ。

09年7~9月期以降は4四半期連続でプラス成長を維持しているが、成長率は09年10~12月期の5.0%をピークに減速が続いている。

【ことば】全米経済研究所(NBER) 中立の立場で経済情勢を分析する非営利の民間研究機関。1920年に設立された。ノーベル経済学賞受賞者16人をはじめ1000人以上の米国の主要エコノミストらが所属していることや無党派性から、分析結果への信頼が高く、NBERによる景気拡大、後退の判断は、米国の公式見解として扱われている。

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